まろにしも の好奇心メモ

私にとって知的好奇心はエネルギーの源です。読書や考えたことなどでこれは面白い!と思ったことを備忘的に書いていこうと思います!

重力を感じる生活(Life With Gravity)

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無重力状態

仕事柄、私の生活の中で「座っている時間」は極めて長い。

一日に〇時間以上座り続ける生活は健康寿命が短くするリスクがある、という話を良く聞く。

健康のためもあるけれど、仕事の能率という観点から、1時間に1回くらいは立ち上がるように意識している。

しかし、ついつい深みに入り込んでしまうと、いつの間にか2時間、3時間、ず~とパソコンに向かってパチパチとエクセルとかパワポとかを続けてしまう場合がある。

そして下手すると肩が凝って頭痛に陥ってしまう。

NASA式最強の健康法』(ジョーン・ヴァーニカス)を読んだ。

この本のサブタイトル”「座り過ぎ」をやめると、脳と身体が変わる”に惹かれて買ってしまった。

著者はNASAのライフサイエンス部門の責任者を務めたという経歴を持つ。

無重力状態から帰還した宇宙飛行士を観察し続ける中で、無重力状態がいかに老化を進展されるか(体力、免疫力、血圧、血液量、平衡感覚など)を目の当たりにしてきた。

しかし、宇宙飛行士が地球に戻り、重力のある環境で過ごすとすぐに老化状態は改善され、やがて元の身体コンディションに戻る、という。

つまり、我々のコンディションは重力環境に大きく影響を受けるということ。

★★★

わざわざ宇宙に行かずとも、無重力状態に近い生活をすることは出来る。

それは「寝たきり」になるということ。

寝ている状態は、受ける重力が小さくなる。
(逆に、重力を一番強く受けるポーズは起立)

そこで、健康な男女に実験体になってもらい、「寝たきり」生活を続けてもらったところ(トイレに行くときも寝たまま排尿・排便)、宇宙飛行士と同様に、疑似老化症状が現れたというのだ。

そして、「寝たきり」生活から元の生活に戻したところ、(これまた宇宙飛行士と同様に)老化症状は治り、元の身体コンディションに戻った。

ということは、歳を重ねていくにつれて老化が進むのは、加齢そのものが原因ではなく、「加齢」→「何らかの病気」→「身体が動かせないようになる」→「寝たきり生活(疑似無重力環境)」→「老化」というように、「寝たきり生活(疑似無重力環境)」が直接、老化に影響を及ぼしているという可能性もある、ということだ。

逆に言うと年齢は老いても、重力に負けずに身体がピンピンと動く限り(動かしている限り)、老化が(あまり)進まないのではないか、ということだ。

著者の主張は、無重力状態(寝たきり)ではなく、「重力と共に生活をしよう」ということ。

「重力と共に生活をする」ということは、何も「30分以上の運動を週3回以上おこなう」というハードルの高いことではない。

日常生活の中で、こまごまと動くということ。

じーとソファに座り込んでテレビを観るような生活ではなく、CMのときに、少し動いてお茶を入れるとか、出来るだけ階段を使うようにするとか、自分で料理をするとか。ちょっとした散歩をするとか。

一言で言うと、家事こそが「重力と共にある生活」ということかも知れない。

様々な要因があるのだろうけど、男性よりも女性の健康寿命が長い理由の一つに、女性は家事を通してこまごまとよく動く生活をしている、ということがあると思う。

「ライフ ウィズ 重力」

適度なスポーツが身体に良いということは事実だと思うが、”今日は2時間スポーツをしたから、残りの一日はソファに座ってDVDをボーと見よう(読書をしよう)”はダメという。

負担にならない程度に、”一日を通じて”こまごまと動こう(面倒ぐさがらずに家事をしよう)。

重力に屈してはならぬ!

それが大事であって、それプラス スポーツがあれば良いけど、無理はせんでもいい。

無理して運動しなくても、重力フレンドリーな生活の方が大事、というのが著者の主張(激しい運動は健康には逆効果という研究もある)

「重力フレンドリーな生活」については、本の中でいろいろと紹介されてあったけど、どれも難しいものではないし、真新しいものはない。

繰り返すが、基本は家事をする。

 ”よっこらしょ”と言いながらも、こまごまと(くるくると)動き回るようにしようと思う。

食器を並べたり、食べたお皿を洗ったり、お風呂のお掃除をしたり、買い物に行ったり、洗濯ものをたたんだり・・・

もう少し妻の手伝いをしよう、と思う今日この頃である。